東横線の地下化がもたらした大きな影響とは?


2027年(令和9年)度に完成する予定の渋谷の大再開発も、徐々に佳境に差し掛かってきつつありますね。
JR以外に渋谷駅に乗り入れている他の路線の駅は改良工事や移設工事などが完了して、真新しくそしてホームドアでホーム上の安全もしっかり確保された駅に生まれ変わってきました。
しかししかーし、一方のJRの特に山手線の渋谷駅に至ってはどうでしょうか。ホームも別々な上にホーム幅も狭くそこに特にラッシュ時はたくさんの人でごった返すもんで、
大げさではなく本当にこれまでも人身事故が絶えなかったと言うし、決して快適に使用できる駅とは言い難かった部分もあったことも事実でした。
それが、2023年(令和5年)1月に、これまで別々に配線されていた山手線のホームが、両側にホームが設置されるタイプ(いわゆる島式ホーム)にようやく改良されたのです。
まだ仮説とは言えこの改造はかなり大きな利便性をもたらすと期待されていますが、ここに行きつくまでにはこちらも様々な紆余曲折があったそうです。
前回の埼京線の渋谷駅に引き続いて2回シリーズの今回は、山手線の渋谷駅にスポットを当ててお届けしていくことにしましょうか!
埼京線の回でも書いていたことですが、東横線の渋谷駅が地下に移ったことで、この山手線の駅舎もやっとこさ改造に踏み切れたということらしいんですが、それにはこんな背景があったんでした。


いつの間にか東急グループに取り囲まれてしまった山手線の渋谷駅


現在の山手線の駅舎の改良の経緯を説明する前に、まずはJR渋谷駅の生い立ちを非常に簡単ではありますがかいつまんで紹介していきますね。
そもそも、渋谷駅そのものが開業したのがJRはおろか国鉄の前進でもある日本鉄道が1885年(明治18年)に、品川線が開通するのに合わせてできた駅でした。
それから玉川電気鉄道(現在の東急田園都市線の一部区間)や東京横浜電鉄(現在の東急電鉄)や帝都電鉄(現・京王電鉄)井の頭線などが相次いで開業したけれど、
利用者が急激に増加した山手線の当時の駅は内回りのホームしか無く、その一つのホームを外回りと共用で使用していたという、
現在からはとても信じられないような後継が繰り広げられていたんだそうですよ(@@)
今でこそ玉川電気鉄道も東急に買収されて東京メトロ銀座線の渋谷駅ももともとは東急の路線だったことや東横線がすぐ隣に存在していたこともあって、
山手線の駅は東急グループの縄張りにひっそりと佇んでいるみたいな質素な駅だったことがうかがえますよね。


改造前の渋谷駅の利便性は決して胸を張れるものではなかった?


2023年(令和5年)の線路切替工事と駅舎改造前の山手線の駅は、利用された方ならご存じだと思いますが、
内回り(品川・東京方面)と外回り(新宿・池袋方面)のホームは別々に設けられていました。
これは、山手線を複線化したときのホームは島式のものでしたが、利用客の増加にさばききれなくなった結果、
外回りのホームを移設して対応した名残が改造前までずっと使用し続けられていたんだといいます。
それでも、もとあった島式のホームの面積を利用して外回りホームを新設したために外回りホームは何処にいても狭いという欠点が残ってしまいました。
それにすぐ隣には東横線のかまぼこ屋根が名物だったあの渋谷駅があったために、改造しようにもそれが課題となったままなかなか改造に踏み切ることはできなかったんです。


その改造の大きな転機となったのが、10年前の2013年(平成25年)3月に実施された東横線渋谷駅の地下化と東京メトロ副都心線との直通運転の開始でした。
このニュースは首都圏のみならず全国的にも結構大きく取り上げられた話題だったのでご存じの方も多いかも知れませんが、
実はこの東横線の駅が壁となっていたために山手線のホームの拡幅や改造になかなか踏み切れなかった拝啓があったんですが、
これまで高架にあった東横線の駅を除却して先に開業していた副都心線の地下駅とつながったたことがきっかけとなって、大規模再開発の大きな1歩を踏み出したと言われているんです。
こうなってしまえば、駅の跡地の敷地を有効活用できるってことで、2020年(令和2年)に埼京線のホームとの並列化が実現し、山手線ホームの拡幅も可能になったのです。
これまでも線路切替工事は何回か行われていたんですが、内回りと外回りのホームを島式化する大規模な切替工事が、2023年の年明け早々行われたのです。


乗り換えの利便性の向上が期待される島式ホームの実現へ


東横線の駅が地下化され、田園都市線・半蔵門線とともに一体的に東急の管轄となった渋谷駅に変わって、
2015年(平成27年)から埼京線の並列化も含めたJRの渋谷駅の着工は始まり、5段階に分けて工事が進められています。
今回の外回りのホームを移設して島式化する工事は4段階目だそうで、2日強にわたって線路の切替と外回りホームの移設が完了し、
凡そ80年ぶりに山手線ホームはホームとホームの幅員が16メートルの広さに拡大された島式が復活したことになります☆
とは言っても突貫で済ませたこともありホーム上の柱とか床なんかはまだ仮説のものですが、それでも乗り換えの利便性や混雑緩和に大きく進歩したと言っても過言ではないでしょう(^O^)
まだ5回目の最終仕上げの工事(床のかさ上げやエスカレーターやエレベーター・ホームドアなどのバリアフリー設備等)は残っていますが、
これで山手線の島式化と並列化された埼京線・湘南新宿ラインのホームとの行き来も便利になり、ようやくJRの渋谷駅の利便性や混雑緩和にも一役も二役も買ってくれそうですね☆!


いかがでしたでしょうか。本当に駆け足もいいところで駅の歴史とともに、これまでの背景を織り交ぜながら山手線の島式ホーム化に至った経緯を紹介してきましたが、
地上時代の東横線の渋谷駅が工事の難航を極めていたこととか、山手線の駅そのものが東急グループに囲まれていたこと、
更には日本鉄道の品川線の駅として開業していた名残があったことなど、調べていくと結構「そんな背景があったのかぁ」と気づかされる出来事が多かったですね♪
再開発が終わるころにはJRの渋谷駅も、もっと利便性が向上しているんだろうなぁと、まだまだ目が離せない状況は続きそうです。
さて、来月は4月28日ということでこのコーナーも3年目に突入しますぞってなもんで、2本立ての話題をお届けする予定ですので、
どうぞお楽しみにーー!あ、いきなり休んだりしません、ちゃんと実行しますです、はい!(笑)



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